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いりそ写真館オフィシャルブログ

冠婚葬祭 葬儀の写真(遺影写真)を思う

2020/7/18 Category:イベント 日々の出来事 大人の写真 趣味 ブログ シニア

こんにちは、shinです

いきなりですが、皆様は自分や家族や友人の死について考えたことがありますか?

健康な暮らしを送っていると死と向き合う機会が少なく、あまりピンと来ないのではないでしょうか。現に少し前の日本では死をタブーとするような考えもありました。

いりそ写真館では人生のハレの日のお祝い写真だけでなく、人生最後の写真、遺影写真(葬儀写真)を作成するお仕事もしています。創業当時からですからもう40年以上に渡り続けているお仕事の一つです。

今回は遺影写真というお仕事を通して、自身の考える人生最期の写真や現場の想いについて書いていこうと思っています。

【遺影写真の変遷】

昔は写真をカメラで複写(複製、写真の写真を撮る、いわゆるコピー)し、現像して暗室で引き伸ばす。それをエアブラシで喪服に着せ替える。カラーが少なかったのはカラー現像が全暗(光を一切入れない)で現像等も難しかったし時間がかかった。その分モノクロの方が温度調節もカラーに比べて現像温度や光に関してはやりやすかったのです。そして何よりエアブラシなどは技術が必要だった(笑

現会長は当時エアブラシで洋服や和服まで描いていました。そして作業が出来る人も限られていたから(1人)忙しい時は朝から夜までひっきりなしで作業をしていました。


元原稿ですこの写真を着せ替えすると下記のようになります。

よく見てもらえると一つ一つ手書きになっています…技術って素晴らしいですね^^エアブラシや筆で描いています。私には到底真似できません




今は技データ化した写真をPhotoshpで切り抜き作業完了(とは言っても今でも技術が必要だと思われます、その点はまた時間があるときに^^

【どんな写真が葬儀写真、遺影写真としてよく持ち込まれるのか】

今から2030年前は会社の慰安旅行や団体旅行が盛んだった時代には集合写真が多くありました。写真はみんなが集まった時に撮影するものという意識は今でも強いと感じています。それと旅行行った時の写真や孫が生まれた時やお祝いの時のハレの日の写真も多いです。今は携帯電話のカメラ機能も向上してきたのでメール添付してデータ加工が多くなってきました。

番外編ではsnowなどの加工した写真を本人ぽくないから化粧と目を修正して欲しいという声も出てきましたこれも時代の流れでしょうね

【年間何千枚の遺影写真の素を見ていると故人の人生を考えるようになった】

持ち込まれた葬儀写真、遺影写真の素材元写真を見ると色々故人の人生を想像することがあります。たくさんの写真の中から1番よく出来る写真を選んで欲しいアドバイスを受けることがあります。その時の写真が色んな場所に行って色んな笑顔の写真を拝見すると良い人生だったのかな~なんて想像したり、
いつの写真?っていうくらい昔の写真に遭遇した時には、最期の写真もうちょっと他の良い写真なかったのかなと少し寂しい思いをしたり、学生の写真や赤ちゃんの写真の時には心苦しかったり最期の写真を任された以上、一生で最高の写真を作ろうと思いながら作成をしています。

親族や友人が選んだその人らしい写真を見ると、その方の人生を想像します。その人らしい写真を残してあげよう、人生の最期の写真なのだから私たちの手で最高のものにしようと思います。

【この仕事に就てから自らの死について何となく考えるようになった】

毎日老若男女色んな方々の遺影写真を目の当たりにして、いつもの日々が突然なくなるかもしれない、自分も気がつかないうちにポクッと亡くなるかもしれない、と日々何となく思うようになりました。だからこそ11日を無駄にすることなく一所懸命に生きていかないと!と思う原動力の一つになったかもしれません😁



【人生最期の写真だからこそ】

私の祖母が昨年亡くなった時、もし葬儀写真として最期に使う写真はこれに!というものは決めていました。元気なうちに、自分の思い出にあるおばあちゃんらしい写真は、今でも自宅の仏壇で微笑んでいます。その人らしい穏やかな写真があったことに家族も喜んでいます。

【その人らしい写真を残すには?】

昔であればネガからプリントしてみないと写真は出来なかったけれど、今の時代はデータで何千枚、何万枚も残すことが出来ます。まずはたくさんの写真を撮影してみることをお勧めします。必要のない写真は後で消すこともできますし、気に入った写真はプリントすれば残す事もできます。 今は何気ない日常でもスマホで簡単に撮影でき残せます。1人一台毎日カメラを肌身離さず持っていると考えれば難しい事ではないですよね。


【最後に】

「故人を偲ぶ」という言葉があります
ある人が亡くなってからある程度経ったときに懐かしむ気持ちや思い出すことを表します。

今我々があるのは昔の人たちの連綿と続く歴史があり、ご先祖様を思うきっかけにもなると思います。

長々と書きましたが、今の葬儀写真は生活様式に合わせて写真サイズがダウンしたり、そもそも写真自体がモニタに変わったりと変化をしてきています。簡素化も今の時代致し方ありません、しかし最期の写真だからこそ!その人らしい写真を残して欲しいなあと感じています。この投稿で遺影写真(肖像写真)を考えるきっかけとなってくれれば嬉しいです。

ありがとうございました。


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